「古文 基礎問題精講」のレベル・使い方は?元塾講師がレビュー!

こんにちは、Studirector・あぷりこっとです!

こちらのサイトでは、京都大学卒・元塾講師で、現在も高校生の指導を多く行う筆者が、高校生・大学受験生に向けて、勉強に役立つ情報を紹介しています。

さて、参考書・問題集のレビューをお届けしていますが、今回は、古文の勉強に使われる「古文 基礎問題精講」についてレビューしていきます♪

筆者:あぷりこっとの経歴
  • 偏差値70台の高校→京都大学 卒
  • 大学時代には3年間塾講師として数多くの高校生を指導
  • 現在はココナラを中心に高校生に学習支援サービスを展開

詳しいプロフィールはこちら

目次

「古文 基礎問題精講」の基本情報

まずは「古文 基礎問題精講」の基本情報について紹介していきます。

基本情報

created by Rinker
¥1,210 (2024/12/23 15:27:44時点 楽天市場調べ-詳細)
  • 書籍名:古文 基礎問題精講
  • 出版社:旺文社
  • 著者:倉繁正鬼
  • 最終改訂:2019年
  • ページ数:200ぺージ

「古文 基礎問題精講」は、旺文社から出版されている古文の参考書・問題集です。

ページ構成

「古文 基礎問題精講」は、以下の2つの章から成り立っています。

  • 基礎編
  • 実践編

基礎編では、古文を読むうえで基礎固めが必要な古典文法を、32のセクションにわけて学びます。

項目は以下の通りです。

  1. 歴史的仮名遣い
  2. 品詞・活用
  3. 動詞〈正格活用〉
  4. 動詞〈変格活用〉
  5. 形容詞・形容動詞
  6. 助動詞〈き・けり/たり・り〉
  7. 助動詞〈ぬ・つ〉
  8. 助動詞〈る・らる〉
  9. 助動詞〈す・さす・しむ〉
  10. 助動詞〈む・むず〉
  11. 助動詞〈らむ・けむ〉
  12. 助動詞〈べし〉
  13. 助動詞〈めり・なり・らし〉
  14. 助動詞〈まし〉
  15. 助動詞〈まほし・たし・ごとし〉
  16. 助動詞〈なり・たり〉
  17. 助動詞〈ず・じ・まじ〉
  18. 助詞〈格助詞〉
  19. 助詞〈接続助詞〉
  20. 助詞〈係助詞〉
  21. 助詞〈副助詞・終助詞・間投助詞〉
  22. 副詞・その他の品詞
  23. 語の識別〈に・らむ(らん)〉
  24. 語の識別〈なり・る・れ〉
  25. 語の識別〈む・ね・なむ(なん)〉
  26. 敬語〈敬語の種類〉
  27. 敬語〈主な敬語動詞〉
  28. 敬語〈敬意の方向〉
  29. 和歌の修辞法〈枕詞・序詞〉
  30. 和歌の修辞法〈掛詞・縁語〉
  31. 読解〈主語の識別〉
  32. 読解〈会話文の判別〉

1セクションは見開き1ページからなっており、例題と解説が掲載されています。

最後の2項目は「主語の識別」「会話文の判別」のように、基本的な読解法も紹介してくれています。

また、2~5セクションに1回、練習問題が収録されています。

実践編では、古文頻出の作品から13の読解問題が出題されています。

「古文 基礎問題精講」のレビュー

  • オススメ度:★★☆☆☆
  • オススメする人:短期間で古典文法をおさらいし、読解の演習をしたい人
  • オススメする時期:古典文法の基礎固めをする、受験年の春頃~古文の本格的な問題演習を初めて行う、受験年の夏頃

「古文 基礎問題精講」は、オススメ度★★☆☆☆の参考書・問題集です。

オススメする人

この「古文 基礎問題精講」は、短期間で古典文法をおさらいし、読解の演習をしたい人に向いている参考書・問題集になります。

筆者は、どんな大学を受験する人も、古文の勉強の第一歩として文法の基礎固めをするべきだと考えています。

現代語訳する問題は、教科書通りの訳ができると点数をしっかりもらえるからです。

私は高校1・2年生のときから小テストに向けてはちゃんと勉強していたので、古典文法にはまあまあ自信があったのですが、実際に過去問を解いてみたら全然解けませんでした。

浪人してはじめて古典文法を基礎の基礎から固めることをして、ようやく点数が伸びていきました。

「古典文法は学校の授業でやったし、助動詞の意味や活用も何となくわかってるな…」ではダメなのです。

筆者:あぷりこっと
筆者:あぷりこっと

「古文苦手です、文法はできます」と筆者のもとに相談にくる高校生の方は、たいてい文法の基礎ができていません。基礎ができていないと、勝手な発想でストーリーをどんどんねじまげてしまうんですよね。

古典文法については、一通り網羅できるようになっていますが、問題数は少なめです。

そのため、「理系で数学・理科に時間がかかるから、古文はあまりかけられない…」というような、短期間で古典文法を習得したい人向けになります。

ただし、

  • 2次試験で現代語訳など記述が多く出題される大学を受験する人
  • 古典文法がさっぱりで、しっかり勉強しなおす必要がある人

については、「古文 基礎問題精講」は向いていません。

基礎からのジャンプアップノート古典文法・演習ドリル」「ステップアップノート30古典文法基礎ドリル」のような、古典文法を網羅できて一定量の演習も確保できる参考書・問題集でしっかり古典文法の基礎を固める必要があります。

オススメする時期

「古文 基礎問題精講」を使うのにおすすめのシーズンは、古典文法の基礎固めをする、受験年の春頃~古文の本格的な問題演習を初めて行う、受験年の夏頃です。

古典文法の基礎固め

上述の通り、筆者はどんな大学を受験する人も、古文の勉強の第一歩として文法の基礎固めをすることをオススメしています。

そのため、高3の春に本格的な受験勉強を始めたら、まずは「古文 基礎問題精講」の「基礎編」で古典文法の基礎を固めましょう。

古文の本格的な問題演習

「古文 基礎問題精講」の「実践編」は、古文頻出の題材からの出題となっています。

そのため、古文読解の初心者にもとっつきやすいラインナップです。

初めて読解演習するのによい1冊といえます。

メリット

本書のメリットとしては、①短期間で古典文法をマスターできる、➁現代語訳が詳しい、という2点が挙げられます。

1.短期間で古典文法をマスターできる

1つめのメリットは、短期間で古典文法をマスターできる点です。

古典文法をコンパクトなページ数で解説してくれているので、理系学部志望の人など、古文にあまり時間をかけられない人にはちょうどよい分量といえます。

2.現代語訳が詳しい

この「古文 基礎問題精講」は、実戦編本文の現代語訳が本文と並べて掲載されており、本文と見比べながら読みやすくなっています。

そのため、しっかり読み込めば「なぜその意味になるのか」という点を、わからないまま放置することもありません。

デメリット

一方デメリットとしては、①古典文法の問題数が少ない、➁古文の「読み方」を学ぶステップがない、③品詞分解がない、という3点が挙げられます。

1.古典文法の問題数が少ない

上述の通り、この「古文 基礎問題精講」は各項目見開き2ページで古典文法をマスターするものとなっています。

そのため、問題演習が少なく、不安になってしまう受験生もいるかと思います。

2.古文の「読み方」を学ぶステップがない

この「古文 基礎問題精講」には、古文の「読み方」を学ぶステップはありません。

大学受験における古文学習の理想は、

  1. 古典文法を固める
  2. 古文の読み方を学ぶ
  3. 古文の書き方を学ぶ(記述問題が出題される大学のみ)
  4. 問題演習/過去問に取り組む

なのですが、この「古文 基礎問題精講」は①と④のみをカバーするような内容となっています。

そのため、「古文 基礎問題精講」を使うのであれば、①と④の間に➁をカバーできる参考書・問題集に取り組むのがよいでしょう。

3.品詞分解がない

この「古文 基礎問題精講」は、現代語訳はとても分かりやすいのですが、品詞分解が掲載されていません。

筆者としては、品詞分解は現代語訳と合わせて非常に有効な古文の勉強法と考えているので、品詞分解が掲載されていないのは少し物足りなく感じます。

そういった点を加味して、オススメ度★★☆☆☆としました。

「古文 基礎問題精講」の使い方

ここからは、筆者オススメの「古文 基礎問題精講」のつかいかたを紹介していきます

基礎編・1周目は、通常通り解いていく

1周目は、よくある参考書・問題集の使い方ですが、解説を読んで解いていきましょう。

もちろん、解いて、丸付けだけで満足してはいけません。

間違えた問題は必ず「なぜ間違えたのか」を解説を読んで理解し、数日たって自力で解けるか確認しておきましょう。

筆者:あぷりこっと
筆者:あぷりこっと

オススメの進め方は、1日1単元解説を読んで解く→確認問題を解く日は、その前に間違えた問題を確認する、というやりかたです!

基礎編・2周目は、品詞分解&現代語訳をしていく

2周目以降は、品詞分解&現代語訳をしながらすべての問題を解いていきましょう!

古文読解の問題集は、その問題の性質上、多くの問題は収録されていません。

その分、解答・解説から問題以上の学びを積極的に得ていく必要があります。

そこでオススメなのが、品詞分解&現代語訳です。

というのも、大学入試の古文において出題される「現代語訳しなさい」「説明しなさい」という問題は、該当箇所を品詞分解し、1語1語忠実に訳すことで点数をもらえるからです。

さらに、品詞分解をしたあとは、敬語の識別(尊敬or謙譲or丁寧)、助動詞・助詞の用法の識別(過去や存続など)をすべて書き込みます。

これらのチェックが終わってから初めて、現代語訳してみましょう。

筆者:あぷりこっと
筆者:あぷりこっと

これだけできるようになろうと思うと、春ごろの文法の基礎固めでしっかり品詞を理解しておく必要があります!

実践編は、基礎編を固めてから

基礎編の内容を完璧にしてから、実践編の問題に取り組むようにしましょう。

実戦編も基礎編同様、品詞分解&現代語訳に取り組みます。

筆者がこの「古文 基礎問題精講」にオススメする理系の人は、なかなか古文に時間を割くことができないかと思うので、品詞分解&現代語訳は傍線部だけでもやっておくとよいでしょう◎

もちろん、1周で終わらない

勉強の鉄則ですが、どの参考書・問題集も1周だけでは身に付かないので、2周・3周と繰り返します。

まとめ

参考書・問題集のレビュー、今回は古文の「古文 基礎問題精講」を紹介しました!

これからもさまざまな参考書・問題集の紹介、使い方について記事にしていくので、また読んでくださいね!

created by Rinker
¥1,210 (2024/12/23 15:27:44時点 楽天市場調べ-詳細)
よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

目次
閉じる