こんにちは、Studirector・あぷりこっとです!
こちらのサイトでは、京都大学卒・元塾講師で、現在も高校生の指導を多く行う筆者が、高校生・大学受験生に向けて、勉強に役立つ情報を紹介しています。
さて、参考書・問題集のレビューをお届けしていますが、今回は、古文の勉強に使われる「高校の古文読解が1冊でしっかりわかる本」についてレビューしていきます♪
- 偏差値70台の高校→京都大学 卒
- 大学時代には3年間塾講師として数多くの高校生を指導
- 現在はココナラを中心に高校生に学習支援サービスを展開
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「高校の古文読解が1冊でしっかりわかる本」の基本情報
まずは「高校の古文読解が1冊でしっかりわかる本」の基本情報について紹介していきます。
基本情報
- 書籍名:高校の古文読解が1冊でしっかりわかる本
- 出版社:かんき出版
- 著者:岡本梨奈
- 最終改訂:2021年
- ページ数:224ページ
「高校の古文読解が1冊でしっかりわかる本」は、かんき出版から出版されている古文の参考書・問題集です。
ページ構成
「高校の古文読解が1冊でしっかりわかる本」は、以下の3つの章から成り立っています。
- 古文読解のはじまり(10テーマ)
- 古文読解の方法(5テーマ)
- 古文読解にチャレンジ(15テーマ)
「古文読解のはじまり」では、古典文法の基礎を押さえます。テーマは以下の通りです。
- 歴史的仮名遣い・五十音
- 品詞
- 活用・活用形
- 係り結びの法則と意味
- 形容詞・形容動詞
- 助動詞①
- 助動詞②
- 助詞①
- 助詞②敬語
「古文読解の方法」では、古文の読解に必要な作業が網羅的に説明されています。テーマは以下の通りです。
- 主語をつかんで読んでいく
- 省略されているものを補う
- 「セリフ」「心内語」と「地の文」を分けよう
- 指示語を意識しよう
- 古文単語の意味を理解しよう
「古文読解にチャレンジ」では、古典文法で頻出の作品から、15の読解問題が出題されています。
「高校の古文読解が1冊でしっかりわかる本」のレビュー
- オススメ度:★★★★☆
- オススメする人:大学受験で古文を受験するすべての受験生
- オススメする時期:古文の「読み方」を初めて学ぶ、受験年の春~夏頃
「高校の古文読解が1冊でしっかりわかる本」は、オススメ度★★★★☆の参考書・問題集です。
オススメする人
この「高校の古文読解が1冊でしっかりわかる本」は、大学受験で古文を受験するすべての受験生に向いている参考書・問題集になります。
筆者は、どんな大学を受験する人も、古文の勉強の第一歩として文法の基礎固めをするべきだと考えています。
しかし、文法の基礎固めだけでは古文が読めるようになるわけではありません。
主語の省略や、独特の敬語など、現代文とは異なる読解ポイントが多数あります。
それらのポイントを学べる参考書・問題集を1冊こなしておくとよいでしょう。
この「高校の古文読解が1冊でしっかりわかる本」は、読解ポイントを学ぶのによい1冊です。
オススメする時期
「高校の古文読解が1冊でしっかりわかる本」を使うのにおすすめのシーズンは、古文の「読み方」を初めて学ぶ、受験年の春~夏頃です。
受験勉強の最初に、古典文法の基礎をしっかり固めてから、「読み方」の勉強を始めましょう。
メリット
本書のメリットとしては、①古文の読み方が体系的に説明されている、➁問題文の全文解釈がある、という2点が挙げられます。
1.古文の読み方が体系的に説明されている
この「高校の古文読解が1冊でしっかりわかる本」は、古文読解に必要なポイントを体系的に説明してくれています。
古文は、古典文法の練習や、読解の演習問題が収録されている参考書・問題集というのは多いのですが、「読み方」を解説してくれているものはあまりありません。
そのため、古文読解をみっちり学べる貴重な1冊といえます。
2.問題文の全文解釈がある
「高校の古文読解が1冊でしっかりわかる本」の大きな特徴として、問題文の全文解釈が収録されている点が挙げられます。
問題演習は、短めの古文読解を通じて、学んだ読解法を実戦できるようになっていますが、この文章の全文に全文解釈が掲載されています。
後述していますが、私は「高校の古文読解が1冊でしっかりわかる本」に取り組む際には、問題文を品詞分解&全文訳できるようにすることを推奨しています。
古文は教科書通りの訳ができると点数をしっかりもらえるため、その練習になります。
他の参考書・問題集だと、問題に関係ないところは解釈がないものも多いので、この「高校の古文読解が1冊でしっかりわかる本」は便利です。
デメリット
一方デメリットとしては、古典文法を網羅的に解説しているわけではない、という点が挙げられます。
本書冒頭、「古文読解のはじまり」は、古典文法を網羅的に解説しているのではなく、受験に頻出の箇所のみの解説となっています。
そのため、古典文法の基礎固めについては、「基礎からのジャンプアップノート古典文法・演習ドリル」「ステップアップノート30古典文法基礎ドリル」のような、網羅的な参考書・問題集でしっかり古典文法の基礎を固める必要があります。
そのため、「高校の古文読解が1冊でしっかりわかる本」を使用する場合は、別の参考書・問題集で古典文法の基礎固めをしてから、夏に「読み方」を学び、実戦するステップに使うことをオススメします。
「高校の古文読解が1冊でしっかりわかる本」の使い方
ここからは、筆者オススメの「高校の古文読解が1冊でしっかりわかる本」のつかいかたを紹介していきます♪
まずは、「古文読解の方法」に取り組む
先述の通り、最初の章である「古文読解のはじまり」については、古典文法の解説ではありますが、より詳細な参考書・問題集で勉強することを筆者はおすすめします。
そのため、春に受験勉強を始めたら、まずは別の参考書・問題集で古典文法を固めてから、本書の第2章「古文読解の方法」に進んで、古文の読み方をマスターしていきましょう。
「主語を補う」「助詞を補う」など、現代文とは異なる部分を身に着けていかないと、古文の読解は苦しいです。
解説を読んだうえで、練習問題に取り組んでみましょう。
また、第2章「古文読解の方法」を1周したら、すぐに第3章「古文読解にチャレンジ」に進むのではなく、「読み方」をマスターできるまで第2章を2~3周繰り返しましょう。
「古文読解の方法」をマスターしてから「古文読解にチャレンジ」へ
上述の通り、第2章で古文の「読み方」をマスターしてから、第3章「古文読解にチャレンジ」へ進みましょう。
品詞分解&現代語訳をしていく
古文読解の問題集は、その問題の性質上、多くの問題は収録されていません。
その分、解答・解説から問題以上の学びを積極的に得ていく必要があります。
そこでオススメなのが、品詞分解&現代語訳です。
というのも、大学入試の古文において出題される「現代語訳しなさい」「説明しなさい」という問題は、該当箇所を品詞分解し、1語1語忠実に訳すことで点数をもらえるからです。
さらに、品詞分解をしたあとは、敬語の識別(尊敬or謙譲or丁寧)、助動詞・助詞の用法の識別(過去や存続など)をすべて書き込みます。
これらのチェックが終わってから初めて、現代語訳してみましょう。
特に、文系で受験する人はこのステップは必須です。
これだけできるようになろうと思うと、春ごろの文法の基礎固めでしっかり品詞を理解しておく必要があります!
もちろん、1周で終わらない
勉強の鉄則ですが、どの参考書・問題集も1周だけでは身に付かないので、2周・3周と繰り返します。
まとめ
参考書・問題集のレビュー、今回は古文の「高校の古文読解が1冊でしっかりわかる本」を紹介しました!
これからもさまざまな参考書・問題集の紹介、使い方について記事にしていくので、また読んでくださいね!